ウィルコム(旧DDI Pocket)はどう動くのか?《前編》 | 俺とお前と100式様 『平日1日1回更新::東京ブック編』

ウィルコム(旧DDI Pocket)はどう動くのか?《前編》

ガースナー、稲盛和夫の狙いと題した書籍の帯。
黄色の目立つ広告が、電車の扉に貼り付けられている。
そして、大きく書かれた逆転戦略。

逆転戦略 ウィルコム-「弱み」を「強み」に変える意志の経営

この書籍に私は大変注目している。

携帯電話事業を行っているKDDI傘下にいたDDI Pocketでは
PHSのウリとなる部分を伸ばした事業戦略ができないと、随分
言われてきた。それが、米国資本でどう変わるのか?

あえて、この書籍に手をかける前に、自分の雑感を書こうと思う。

||アステルもNTTも撤退したPHS事業で       ||
||DDIポケットは黒字だった。そこに逆転の鍵がある!?||

PHSは安っぽいイメージ、繋がらないイメージで、携帯電話にシェア
を取られてからは、随分と負け犬に成り下がっていた


特に、携帯電話を「スタイル」として捉える若年層にとっては、一向に
安っぽさのイメージは仇となっていたし、規模の違いが明確になりはじ
めた頃には、続々とリリースされる携帯電話に注目が行くのは当然の流
れであったと思う。結果、生き残ったのはDDIポケットのみ。

人は活気のある方向へと向かっていく。当然の流れだろう。

そんな中でDDIポケットは3期連続の黒字をだしていた。これは、P
HSの強みを活かした戦略があったからこそ出来た技ではないか?
TUKAグループが、「シンプル」さを売りに何とか生き残ろうとして
いるが、それとはまた違う方法なのである。

DDIポケットは苦しい中で本来の「強み」を再確認した。

それが、PHSと相性の良いユーザーを開拓することなのである。
例えば、2003年の10月の資料を見てみよう。→セグメント分析
つまり、法人ユーザーとの相性の良さで収益を伸ばしてきた。

PHSは小さなアンテナを街のあちこちに置く方式で、携帯電話の
方法とは明らかに違う
。細かな技術の優位性は(忘れたので)飛ば
させていただくが、通信品質と、設備コストが段違いに安く済む。

TUKAのコンセプトを利用した戦略とは明らかに違う。

⇒他社にシンプル携帯を出されてしまっては効果が落ちるTUKA。

同じ仕組みの中で生きている為、コンセプトは直に潰されてしまう
しかし、DDIポケットは自社の「強み」に注目し、携帯電話が
手を出すことの出来ない「モバイルデータ通信」で利益を上げた


→モバイル用PHS(PCスロット型/CFカード型/USB型)の開発
→PHSとPCの接続によるデータ通信のアピール
→データ通信用の価格設定/データ通信の速度向上

携帯電話ではまだ「狙えない」ゾーンを勝ち取っていったのだ。

この部分を最大限の「強み」を活かしてウィルコムは攻めるのでは
ないかと私は考えている。逆転の鍵は、PHSだからこそ出来るこ
とにある。単なる「電話」として捉えちゃダメなんです。


お題は「PHSはデータ通信でしか生き残れないのか?」かなぁ・・・

<次に書こうと思うこと>

・なぜカーライセルはDDIポケットを買ったのか?
・ウィルコムの敵は一体何であるのか?
・オレならこうする、逆転のシナリオ。

第三次携帯への投資の回収が早ければ、コスト差はでない。
そこが、焦点になるかなと思ってます。